くまーるブログ

あやしうこそものぐるほしけれ。

いろいろな人がいる


今日は、養成講座のお仕事でした。

養成講座で担当している授業の一つに「教育実習」というものがあります。

これは、実際に学習者役の外国人に来てもらって、その前で受講生さんが授業をするものです。

ここ近年、「教育実習」のメニューの一つに「『いろどり』を使って教える」というものがあります。

その際、必ずと言っていいほど問題が起きます。

「can-doを達成するための授業への理解がない」とかいった、教え方の問題ではありません。
むしろ、そういう問題は(私が見ている限りでは)ありません。

 

そうじゃなくて、『いろどり』を授業で使うためにダウンロードする際に問題が起きるのです。

 

「音声ファイル(“MP3(ZIP) ”と書かれているもの)」は圧縮された状態でHP内に置かれていますが、
解凍(展開)しないと音が聞けない場合、解凍の仕方が分からず困る方が一定数いらしゃいます。

 

同じく音関係なのですが、『いろどり』には「音声付きPDF」というものがあります。
これをダウンロードしても、AdobeAcrobat Readerなどがない場合、音声が再生できないのです。
いちばん多いのが、ダウンロードした後クリックすると、ブラウザで「音声付きPDF」が開くパタンです。
この場合、音声は再生されません。

 

「音声付きPDFは、各自のPCにファイルをダウンロードしてからAdobe Acrobat Readerで開いてください。
 ブラウザ上では音声は再生されません。タブレットスマホなどの携帯端末でも再生できません。」

 

とホームページに書かれていますが、これを読んでいない(見ていない)方、理解されていない方が多いのです。

「ダウンロードできて、ファイル開いたのに、音が出ない」

とおっしゃる受講生さん、一定数いらしゃいます。

「このタイプのアイコンだと開けても音出ないんですよ。

このタイプのアイコンじゃないと音出ないんです」

とは言えません。

AdobeAcrobat Readerが要るんですよ」

と言ったとしても、「何ですか、それ?」と言われます。

 

そういう方におすすめするのが、「音声付きPDF」じゃない「普通のPDF」をダウンロードしてそれを紙に印刷し、
スマホで「音声ファイル再生(MP3)」にある音声を再生することです。

 

それでも問題になるのが、ファイル名です。

「Z_L01」や「Z_L01_au」だけではわからない、とおっしゃる方もいます。


「Z_L01_au」のほうは「音声付きのPDF」のことなのですが、ファイル名だけではわからない方もいらっしゃいます。

 

「ファイルの大きさからわかるだろう」とか「"au"という文字でわかるだろう」

 

と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、わからない方にはわからないのです。

ダウンロードしたファイルがどこに格納されるかもわからない方もいらっしゃいます。

 

ということで、『いろどり』の準備の前の段階で作業がいろいろストップします。


私はただただ「今行きます~」と受講生さんの席に駆け付けて、一人ひとりの要望に沿ったダウンロードをしています。

とはいえ、「先生、助けて」とおっしゃった受講生さんには以下の作業を共通して行っています。

 

①デスクトップ上に「教育実習」というフォルダを作る
②「(音声無しの)PDF」と「音声付きのPDF」をダウンロードする
③音声ファイルをダウンロードする
④ダウンロードしたファイルを「教育実習」フォルダに移す
⑤音声ファイルを解凍する(そして解凍前のは捨てる)
⑥ファイル名を変える

 

この①~⑥を数分で行うのですが、それを見ていた受講生さんは決まって「先生、すごい」とおっしゃいます。
時短のためCtrlキーとの組み合わせとかは使っていますが、決して「すごい」ものだと思っていません。

でも、人によっては「すごい」と思えるんだと思います。

 

その一方で、『いろどり』のPDFをパワーポイントのスライドにして、音声をスイスイっと貼る受講生さんも多くいらっしゃいます。

 

何が言いたいのかというと、「いろいろな人がいる」ということなんです。

大袈裟ですが、言い換えると「いろいろな日本語教師がいる」とも言えます。

 

PCの使い方に慣れている人もいれば、そうではない人もいます。

他には、SNSをよく見る人もいれば、そうではない人もいます。

SNSに投稿する人もいれば、そうではない人もいます。

勉強会に出る人もいれば、そうではない人もいます。

 

そうそう。養成講座修了後すぐに日本語教師になる人もいれば、そうではない人もいます。
そして、養成講座を修了しても、ずっと日本語教師にならない人もいます。

 

養成講座の講師をしていると、「いろいろな日本語教師がいる」「いろいろな人がいる」ということにどう向き合うか、ということを常に考えさせられます。

 

考えても答えが出ないこともありますが、できるだけ、その時点での最適解を出したいと思っています。

少なくとも、その教室の受講生さんが笑顔で帰れることを目指したいです。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

送受接続

「送り出し」と「受け入れ」の接続、という意味です。
「送り出し」とは現地の日本語学校や送り出し機関、「受け入れ」は日本の日本語学校や日本語研修施設のことを指します。

「高大接続」みたいな意味合いで使っています。

 

今月の東京滞在で、ノンネイティブの先生に会う機会がありました。

会っていろいろお話しているうちに、
ノンネイティブ先生向けの教師養成の必要性をさらに感じました。
日本に来て、日本語教師養成講座に通っている人もいますが、あくまでも日本語で日本語を教えることが前提となっています。現地語を使って現地語で教える方法については学ぶことはありません。

 

現地語を使って教えることは、効果があると思います。
イラストとか動画とか使って5分かけて説明する必要があるものが、1分、もしくは30秒で説明が完了することも多いです。
その点では効率的だと思うのです。

 

ただ、教科書選択がどうしても限定されてしまいます。
文型積み上げ式の教科書にならざるを得ないのです。

それは文型積み上げの教科書で学んだ人が現地国に帰って教えているから、というのも大きいでしょう。「文型積み上げの教科書以外での教え方に慣れていない」というのもあります。自分が学んだのが文型積み上げ式だと、新しい教え方で教えるのは大変なことだと思います。

 

そして、とある教科書には翻訳・解説が付いています。これ、結構大きいです。

母語で読んで理解できるということは、どれだけ大事なのことか」と思うのです。

 

そんな中で、「現地国・文型積み上げ⇒来日後・行動中心」という“役割分担”をしてもいいのかも、と思うようになりました。
現地の国で現地語で文法の仕組みをしっかり身につけ、短い表現をいくつか言えるようにしてから、来日後にそれを「カタマリ」にして話せるように、そして長めのやり取りができるようになるのがいいでは、と思うようになりました。

 

今日本で行動中心による学習をした学習者が現地国に帰った場合、もしかしたらその時点で現地国でも行動中心的な教え方が広まるかもしれません。なので、ここ10年の間に、現地国での教え方が変わる可能性もあります。

 

それか今後も、「現地国・文型積み上げ⇒来日後・行動中心」を継承しくかもしれません。いっそのこと、「現地国・文型積み上げ⇒来日後・行動中心」が定着してもいいのかもしれません。ただその場合、現地国から日本に来た時に、学習スタイルが変わることについてどうやって学習者に理解してもらうかが問題となる気がします。

 

 ①現地国での、現地語を使った教授法の確立
 
 ②「現地国・文型積み上げ⇒来日後・行動中心」のスムーズな移行方法

 

この2つが、私にとってのこれからしばらくの“課題”であります。

そしてできれば、現地国と来日後でできるだけ一貫したものにしたいのです。「送受接続」を「高大接続」みたいな意味合いで使っているのは、そのためです。現地は現地、日本は日本、ではなく、「日本でこういう教育をしているから、それへの準備となるような教育をお願いします」といった形で連携が取れるといいなと思うのです。もちろん、現地国にも様々な送り出し機関があり、日本にも様々な受け入れ機関があるので、そう簡単に連携は取れないのかもしれませんが、どこか繋がれるところでは繋がることができたら、と思います。

あとは、できるだけ現地の国にいるあいだに

「勉強の仕方」
「自律学習の仕方」
「“働く”ということはどういうことかを考える」
「自分の将来(キャリア)を考える」

ための訓練ができればな、とも思っています。

訓練というと大げさですが、とにかく理解をしてもらえたら幸いです。

(もちろん、学習者ばかりが負担をするのではなく、教える側、援助する側、雇用側が、外国人のことを今まで以上に理解する必要性もあると思っています)

 

なお、①については、現在関わっているバングラデシュでの送り出し機関でのお仕事で、先方さんからもお願いされていることの一つであります。とはいえ、私一人の知恵では限界があります。もし教えを拝借できるのであれば、お借りしたいです。情報交換だけでも結構ですので、ニシクマと“協業”してくださる方がいらっしゃいましたら、ご連絡くださいませ🙇

驚いたこと、腹が立ったこと

バングラデシュでの滞在も最終日になりました。
今回は完全に現地のアテンドによるものなので、自由がありませんでした。
今日も今日で仕事がない日なのにもかかわらず、観光地に行く予定を組んでくださいました。

でも、出かける前にちょっとだけ時間があるので、バングラでの感想を書いておきたいと思います。

タイトルにあるように、「驚いたこと、腹が立ったこと」の2つのテーマで書きます。

 

まずは、驚いたことです。

何かというと、交通量の多さです。
人が多いからしょうがないのかもしれないのですが。
(人口1億6,500万人、人口密度1265.2人/km2:どっちも世界8位)

でも、渋滞が起きる理由がひとつ、自分なりにわかりました。
それは、

信号機がない

のです。

本当にどこにもないのです。

市内の大きい交差点には警察官が交通整理をしていますが、それ以外の場所では野放し。
ある意味無法地帯です。

まじめで他人にやさしく、知らない人にも親切なバングラデシュ人なのですが、
道路の上では、それが嘘みたいに人が変わります。

とにかく譲らないのです。
みんな、我先に向かいます。
「突っ込んだもん勝ち」という言葉が、使われすぎて言葉の価値をすり減らすぐらいに、みんな先へ先へと突っ込んでいくのです。
狭い道でのすれ違いも、ある意味「譲ったほうが負け」という感じの世界です。

バングラデシュは乗り物の種類が多く、

 


バイク
トゥクトゥクみたいなもの
オート(バイクを改造して座席を作り、最大6人乗れる乗り物)
リキシャ

 

などが、道に所狭しと走ります。

そんな乗り物たちが強弱・大小関係なく突っ込むので、渋滞が起きるのです。

私が毎日泊まっていたホテルからほぼ毎日通っていた日本語教育施設までは10kmぐらい離れているのですが、その移動に、
早くて1時間、遅くて2時間近くかかります。

なので、ある意味通勤するだけでぐったりします。

通っていくうちに、渋滞ポイントがわかってきました。
S字にカーブしてるところ、踏切、などがそういうポイントがあるのですが、
私が「魔のジャンクション」と勝手に名付けた場所があります。

説明しにくいので図にしたのですが、
横向きの流れが土手の上です。
(土手といっても川があるわけではない)
そして縦向きの流れがあるのですが、両方向とも土手に向かって上り坂になります。

その交差点を我先に我先に車などが目指すわけなので、毎日がカオスなのです。
オマケに図の中のAからBの方向に向かう車も少しある関係で、余計に混乱します。

警官を配置して絶対に交通整理をすべきなのですが、いません。
ある日はこの場所で1時間以上待たされたときもありました。

でもさすがにみんな、困るんでしょうかね。
どこかからか、交通整理をする人が現れます。

恐らくボランティアです。
いや、間違いなくボランティアです。
何人かの人が3方向の車を順番に止めて、流れを作っています。

流れが速い日もあったのですが、そういう時は、たいていボランティアの人がいます。

お金にならないのに、大変だな~と思いました。

なのでこの国での通勤、通学は覚悟しておいたほうがいいかなと思います。
職住接近が理想です。

乗り物いろいろ、縦横無尽に何でもあり。そして人も路上を往来します。

この車列は、まだ整然としていていいほうです。でもものすごい距離を並んでいます。

スキマがあると、正走、逆走問わずどんどん乗り物が侵入してきます。




さてもう一つは、腹が立ったことです。

バングラデシュの人は、写真を取るのが好きなので、訪問先等で写真を撮りたいと言います。
それは全然かまわないのですが、写真を撮るとき、

「はい、チーズ」
とか
「1,2,3」
とかの掛け声(?)を一切言わないのです。

最初は「そういう人もいるんだ」ぐらいに思っていたのですが、いろんな人に撮られていくうちに「みんなそうじゃん」と思うようになりました。

集合写真でも「撮りますよ」みたいなことを一言も言わずに黙って撮っているので、ポーズとか表情とか何もしないまま撮影終了、ということもあります。
なので、だんだん「写真撮るときは何か言え!」と思うようになりました。
そして、だんだん腹が立ってきたのです(笑)

もちろん、声を上げて怒ったり注意したりしたわけではないのですが、腹が立ったなあ。

あと、関係ない人が勝手に写真撮ったり動画を録ったりしてるのも、「いやだな」と思いました。
日本語教育施設の訪問のときも、明らかに関係ないと思われる人(例えばとある留学コンサルタンシーの場合、日本だけじゃなくてオーストラリアとか韓国とか別の国の留学希望者もいる)がなぜかオーディエンスとして立っていて、我々の撮影風景を撮ったり録ったりしてるのです。

あと、昨晩は日本人大勢+バングラ人とでレストランに食事に行ったのですが、私たちが食べている様子を、店員がスマホで撮ったり録ったりしてたのです。最初は「我々のメンバーのだれかに頼まれたのかな」と思っていたら、撮り終わったら自分のポケットにスマホを入れて立ち去っていくではないですか。

なんか、腹が立ちました。
同じ御一行様のメンバーのひとりが「きっと、こんだけの日本人がまとまってこのレストランに来てるのが、珍しいから録ったんじゃないですかね。もしかしたら勝手にGooleMapの自分の店のところに動画をアップするかもしれませんよ」と言っていました。

さもありなん、ですね。

 

色々なことを感じたり思ったりした1週間でした。
この2つのこと以外は、いいことばかりです。
ご飯はおいしいし、人はまじめでやさしいです。

 

今回のお仕事はこれで終わらないので、再びバングラデシュに来ることがあると思いますが、次もきっと楽しい滞在になると思っています。住むのは大変な国だと思いますが、まとまった期間の滞在なら苦にはなりません。

 

また次の機会を楽しみにしています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

ワクワク進行中!

ワクワク進行中!



 

この土日(1/27-1/28)、色々な方々に会いました。

27日は全養協の公開講座


新しい制度について、勉強してきました。
資料を読み込むことも大事ですが、誰かの解説を聞くのも勉強になりますね。

 

この会場では、「この人すごい! かっこいい!」という方にお会いしました。
日本語教師もね、「多様性」なんですよ✨

ゴスロリ日本語教師とか、サムライの日本語教師とかいてもいいと思うんです。

そのお方とは、お食事会だけでなく、その後の「甘いもの会」までご一緒させていただきました。
いっしょにクレープ食べちゃいました(笑)

ピスタチオクリームクレープ

28日は、勉強会に出ました。
そこで、昔の仲間に再会しました。
十数年ぶりの再会で、昔のことを思い出しました。
その方も、昔と変わらない様子で、嬉しかったです✨

勉強会の後は、幡ヶ谷のタンジャイミールスに移動して、また別の方にお目にかかりました。
私の中では神様だと思っている方です。
初めてお目にかかるので、緊張していました。
緊張していましたが、南インド料理の味はちゃんと覚えています。

 

公開講座でも、
その後の食事会でも、
勉強会でも、
南インド料理を食べながらでも、

出会った方々は、みんな素敵な方ばかり
私の知らないことを知っている。
それを私に聞かせてくれる。

それだけで、お腹いっぱいです✨
南インド料理もお腹いっぱいになりました!(←クドい)

 

そして色々話してるうちに「ワクワク」が生まれます。
だから、私は人間を辞めることができないんだろうなあ。
お腹いっぱいになってワクワクしたら元気しか残らない(笑)
そして、やりたいことがいっぱいある。
時間が欲しい!

お金も欲しい!(笑)


そして、DMでもワクワクが進行中です。
私が尊敬しているアニキとアネキとDMで、ごにょごにょ話しながら盛り上がり中(笑)

やっぱり、この仕事楽しいです。
というか、楽しくしていきたいです。
「そんなに楽しいなら、私もなりたい!」って思ってくれる人が増えたらな、と思います。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

日本語教育にワクワクを

日本語教育にワクワクを

 

またひとつ、歳を取りました。
だんだん、歳を取ることが嬉しくなくなってきました😅
た、体力が…💦
運動しろ、ってことですね。

でもまだまだ、体は動きます。
なので、今年もやりたいことをやりたいなと思っています。

 

私は毎年、自分の誕生日に1年の抱負というか計画というか「やりたいこと」を述べています
ということで、本日、恒例の1年の抱負を書きたいと思います。


今年は2つ、あります。

 

①本との出会いの場を作りたい
②企業との協業をしていきたい

 

です。

 

 

①本との出会いの場を作りたい

 最近になって、お付き合いのある出版社様が増えてきました。
 この「お付き合いがある」ということを活かそうと思った次第です。

 出版社と読者を繋いだり、著者(将来の著者を含む)と出版社とを繋いだりしたいのです。

 

 そこで以前ブログにも書いた「日本語教育ブックフェスティバル(仮)」を、実現させちゃおう!と思っています。

まさに「本との出会いの場を作りたい」のです。

誰かのおすすめを見たり聞いたりすることで、本の存在を知ることがあります。
また、何気なく書店の本を手に取ったことで、知らなかった本に出合うことがあります。

そのような場を作りたいのです。
イベントを実施したいのです。

 

まだ細かいことは言えませんが、「はじめの一歩」は達成しました。
これから実現に向けて、ときどきご報告ができればと思っております。

よろしくお願いいたします🙇

 


②企業との協業をしていきたい

 先日、「インハウス日本語教師」という言葉を知りました。会社に雇用され、企業内や関連企業の外国人従業員に日本語を教えるというものです。企業単独型の技能実習生を受け入れている会社にもそういう働き方をしている人はいたので、特に新しい概念ではないですね。


 私の場合、私自身が法人を持っているのでこのパタンを取ることはないのですが、外国人従業員がいる企業とのパートナーになっていきたいな、と思っています。つまりはBtoBで外国人支援、日本語教育が行えれば、と思っています。
 もちろん、そういうことをしている日本語教育の法人はあると思います。ですのでこれも何も新しいことではないのですが、私としては何か新しいことができないかな、と思っています。例えば、入国前から入国後まで、トータルで日本語教育を行うということ。でも、これも真新しいことではないかな💦 すでに実現しているところがあるかも。それでも、やりたいです。私としては入国後に日本語教育を行うより、入国前から日本語教育を行ったほうが、本人にとっても受け入れる企業にとってもメリットが高いと思うのです。


 それを今年、実現させたいと思っています。それには企業との協業が不可欠です。いっしょになって入国前日本語教育を行ってくださる企業を探していきたいなと思っています。


以上です。


抱負はこの2つなのですが、それとは別に、勝手に今年の合言葉を作りました。

それが、今回のタイトルでもある日本語教育にワクワクを」です。

 

今年は「日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律」の関係でいろいろなことが動きそうです。いろいろ期待と不安があるかと思いますが、その動きとは別に、今自分がしている「日本語を教える」っていうお仕事自体を自分自身で楽しまないと、と思っています。
日本語教育のお仕事をしている人たちが「楽しい」って言えないと、
これからこのお仕事に就く人にも「楽しそう」って思ってもらいえないかもしれません

私としてはこれからの人に「楽しそう」と思ってもらいたいという気持ちがあります。

だからこそ日本語教育にワクワクを」なのです。

こんな私でよろしければ、いっしょに「ワクワク」を作っていきませんか?


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

2023年 思ったこと

 

もう残りわずかの2023年・・・。

コロナ以前の生活にほぼ戻りました。
コロナが収束したと言えるのでしょう。

そんな中、多くの人に会って話す機会がありました。
コロナ禍の中ではなかなかできなかったことが当たり前のようにできるようになりました。
ありがたいことです。

そこで、いろいろな人に会って話したのですが、同業者の方との話題は、もっぱら

 

日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律」
(5月26日可決、成立)

 

でした。

上の法律名は長いので「日本語教育機関認定法」と呼んでおきます。

 

この法律により、日本語教育機関の一部が適正な教育機関として文部科学大臣によって認定され、認定された日本語教育機関には国家資格を持つ日本語教師が教壇に立つようになります。また国家資格を持つ日本語教師を養成するための機関も必要となります。

 

簡単に述べると、

●登録日本語教員(国家資格)
●認定日本語教育機関
●認定養成機関

の3つが、今年話題に上がりやすかったです。

 

そして実際、どんな話が出てきたかと言うと…。

【Aさん】
もう年齢的にも頑張れないから、日本語教師はやめる。
新しい試験や講習を受ける余裕・気力がない。

【Bさん】
私は、コロナを機に日本語教育から離れた。
待遇がよくないから戻る気になれない。
生活のためには今の仕事のほうがよい。

【Cさん】
教科書を変えるのは無理。
教え方を変えたり、テストを作り直したり、先生方への研修をしなくてはならない。
今でさえ授業とその準備、生活指導、進路指導、学生募集等で忙しいのに、そのような暇なんてない。

【Dさん】
情報収集のためにSNSを見ている。情報やアドバイスはありがたいけど、私がいる学校には当てはめにくい。当てはめようにも私は非常勤でそれを言いだすのすら難しい。言い出すことによって学校にいづらくなるのも嫌だし…。

【Eさん】
SNSを見てると、「働き方を変えればいい」とか「嫌ならその学校を辞めればいい」という意見を見る。でも、私のような地方住まいだと日本語学校(告示校)は1校しかなく、辞めることもできない。非常勤という立場もあって、言いづらい。

【Fさん】
Can-doを主体とした教え方、いいと思うんですが、評価ってどうやればいいんでしょうかね?

【Gさん】
「参照枠」ってよく言われていますが、あれは基準なんですか? スタンダードみたいなものなんですか?

【Hさん、Iさん、Jさん、Kさん…(多数の方)】
日本語教師が国家資格化される」と聞きました。

 

そして最近SNSで見かけたのが「日本語教育能力検定試験に受かっても、登録日本語教員になれない。ひどい」というものでした。


ここまで見聞きしたことを一言で無理やりまとめると

理想と現実の乖離(※)

です。

  ※乖離(かいり)…「離れること」「離れているさま」

 

「理想」って言ってしまうと語弊があるのですが、なんていうのだろう、「現実と対立する何か」なんです。

 

現実に置かれている人と、そうじゃないところにいる人の温度差

または、

目の前の現実と、その先にある別の何かとの差

 

と言えばいいのでしょうか。

この1年でお会いしてお話をした方の中には、現職の日本語教師で、何年も続けている方がいました。
その方が言ったのは「この仕事は、楽しいんですよね」でした。
素直に嬉しいことばでした。

だからこそ、続けられているんだと思います。
ただ、現実としては授業準備やらその他業務に追われて…だと思います。

それでいて待遇がよくならない。
それに対する苦しさはあると思います。

 

曖昧な書き方をしますが、「声の大きい人」がいます。

この1年、声の小さい人or声なき人の声を聞いているうちに、
声の大きい人の声が遠いもの、さらに言えば、非現実的なものにさえ感じられるようになりました。

声の小さい人or声なき人自身も、声の大きい人のことを遠くにあるのもののように感じているそうです。

 

声の大きい人 と 声の小さい人or声なき人

 

という隔たりができている気がしました。
何とももったいないことです。


あとは、

 

知っている人 と 知らない人

言い換えれば

情報を持っている人 と 持っていない人

 

の差も感じました。

 

日本語教師が国家資格化される」と思っている人、本当に多い気がします。
でも本当はそうじゃなくて、日本語教師の中に「登録日本語教員」という国家資格が新設されるということが浸透していないのです。しかも登録日本語教員の対象となるのは認定日本語教育機関。認定日本語教育機関は今のところ留学生が学ぶ日本語学校(現在の法務省告示校)が該当するので、それ以外の教育機関で働く方や、オンラインのPFなどを利用して日本語を教えようという方にとっては、従来の「420時間」とか「日本語教育能力検定試験」が活かせるのです。でもなぜか「日本語教育能力検定試験に合格しても登録日本語教員になるにはまた試験を受けなければならない」といった発言が出てきてしまうのです。


あと、今回の

●登録日本語教員(国家資格)
●認定日本語教育機関
●認定養成機関

の3つによって「日本語教育が大きく変わる」と思っている人もいます。

 

ここからは私見になりますが、私は、「多少は変わるけど大きくは変わらないと思う」という考えです。

例えば、認定日本語教育機関になるために、教育課程については「日本語教育の参照枠」を参照することが求められています。参照なんです。基準とは言ってもいいかもしれませんが、規準までは行かないと思いますし、標準(スタンダード)であるとも思えません。
教育課程の到達目標をCan-doで記述しなさいということが、ちょっと強めのお願いです。
しかも各校で独自のCan-doを設定してもよいことになっています。

「参照枠」なんだから触れ方、解釈の仕方はそれぞれだと思います。
そうなると、日本語学校も一企業なので、リスクを取らないほうに進みます。
社内で改革を求める声があり、それを踏まえることで会社の利益に結び付くのであれば改革を進めるでしょうが、利益に結び付かないとなると、改革の部分は少なくなるでしょう。


「大きくは変わらないと思う」と言えば、就労者の日本語教育も劇的には変わらないと思っています。

技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議」による最終報告が11月末に出ましたが、
あくまでも最終報告で、こちらは法律にもなっていない状態です。
まだ詰める箇所(例えば職種とか)が山ほどあるので、あと数年はかかると思います。
国会での議論の間に、元の姿に戻されてしまう可能性だってあります。

それを考えると、就労者向けの認定日本語教育機関の設置はまだかなり先のことだと思います。
それゆえ、現行の420時間などによる「日本語教師」だって有効ですし、「日本語教育能力検定試験合格」というのも十分にお仕事に必要なものになると思います。

こういった「情報の差」は埋めなければな、と思います。
日本語教育の業界の間でも、差があるのです。


そして差と言えば、先ほども挙げた「声の大きい人」と「声の小さい人or声なき人」の差。

後者の方の話に耳を傾けると、「忙しすぎて考える時間すらない」という気持ちを教えてくれました。
だからSNSでアウトプットするなんてもってのほか、なのだそうです。

中には「発言してみようかな」と思う人もいるのですが、ちょっとでも変な発言をすると「それは違う」と言われるのがこわい、という理由で発言しない人もいるみたいです。

 

私事ですみませんが、12月10日(日)にあった、登録日本語教員の試行試験、風邪で熱を出してしまったために参加できませんでした。
そうなると頼りなるのはSNSの意見なのですが、批判的な意見ばかり。
決めつけはよくないのですが、批判的な意見をする人の多くが「声の大きい人」だったと思います。
私はできればそうじゃない人、しかも、本来の受験資格であった「日本語教師になって3年未満の人」の意見が欲しかったのです。
でも、直接は聞けませんでした。

そこで、「DMでご意見をお寄せください」という投稿をしたところ、数名の方からご意見を頂戴しました。
すると、「声の大きい人」が指摘するのとは異なる内容が届きました。

実際、登録日本語教員の試行試験でもアンケートを取ったでしょうから、おそらく様々な意見が国に届けられたと思います。声の大きい人の指摘以外の指摘が届いていることを祈りたいものです。


声の大きい人…。

私は最近、そういった方々の発言を見ないようにしています。
情報や意見として有用だとは考えられなくなったからです。

声の大きい人、頻繁に日本語教育のことをつぶやける人って、ある意味理想的な環境にいるのだと思います。

 

労働環境も変えようと思えば変えられる環境
上司・経営者に物を言って、変わる環境
色々な学びの形を実践し考えられて、アレンジができる環境

 

なんだろうな、と思います。

そういう人から見たら、「変えられない環境」というのが不思議でしょうがないんでしょうね。
だから、

 

「何で変わらないの?」
「まだ、○○なの?」

 

みたいな発言をしがちなのだと思います。
でもそれでは、差は広がるばかりです。
いいにしろ悪いしろ、変えられないのにはそれなりの事情があるので、それを踏まえたほうがいいと思うのです。

なので言われた相手が厳しいと感じてしまうような発言をしないで、

 

「○○しましょう」
「○○がいいですよ」

 

というように暖かく、やさしい発言に変えたほうがいいと思います。
「指導する」とか、そういう上から目線(声の大きな人から見れば上から目線だとも思わないのかもしれませんが)はキツいのです。

 

声の大きい人が言っていることは、正しいんだけど、厳しいのです。

そして、声の小さい人or声なき人にとっては「私のいるところでは無理。簡単には変えられない。専任や主任や経営者に物を言える雰囲気でもない。」なんです。

こんな風に思って、より遠ざかってしまうんです。

それが垣間見えた1年でした。


私自身、「変える・変わる」には賛成です。
でも、急には変わらないと思います。
参照枠とかCan-doとか、そういったことが当たり前の世界が来るまでにはあと10年はかかると思います。
「○○しましょう」「○○がいいですよ」の方式でいったとしたもです。

人ってそう簡単には変わりません。
変わるための十分な余裕があるわけではないのです。

だから、ゆっくり、じわじわと広げていくことが大事なんじゃないかと思います。

長くなりましたが、以上です。


ワガママですが、上記記述に対する私への反論はお控えください。

私などのような者に反論するぐらいなら、国とか、経営者とか主任とか、言いに行ったほうがいい場所がいっぱいあります。

経営者に直接「あなたの考えでは日本語教育はよくならない」と言ってまわってください。
もしくは主任に「もっと参照枠を理解してカリキュラム作成してください」と言ってまわってください。

そして多くの日本語教師に言うのであれば、「変わりましょう」と“伝道”してください。
ただし水平的伝道でお願いします。

 

そして、このブログの内容を無断で引用するのも固くお断りいたします。
引用する場合はご面倒ですが、ご連絡ください。
その際には、ご所属やお名前を名乗っていただきたいと思います。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

ニシクマの仲間になってやってくださいませ

仲間にしてあげますか? はい いいえ

気がつけば、このブログも今日で周年。
特にお祝いはしませんが、細々とよく続けてこれたな、と思っています。

お読みくださっているみなさま、ありがとうございます。

ちなみに3年前の記事は、これでした。

 

【なぜ『2分で読解力ドリル』が出版されたのか。】

 

おかげさまで、『2分で読解力ドリル』を通じて、たくさんの方と知り合うことができました。
日本語教育以外の方々とつながることができたのが、とても嬉しいです。

他の業界・分野の方からのお話がとても刺激的で、自分のいる業界に対するヒントにもなります。
ありがたいことです。
『2分で読解力ドリル』を書くのは本当に大変だったのですが、くじけず出版まで頑張ってよかったな、と今は思っています。

 

ところで。
この【なぜ『2分で読解力ドリル』が出版されたのか。】の記事にも書きましたが、仕事を得るには「声をかけられる」ということが大事になってきます。

今まで何度も言っていますが、名声とか活躍によって仕事が来ることはあることはあります。


でも多くは「知り合い」によって仕事がきます。
紹介って、それだけ大事なのです。

知り合いによって声をかけてもらうことが多いのです。

 

「あ、この仕事は●●さんの得意分野だ。●●さんに声をかけてみよう」

 

こんな感じです。

 

今年は『介護のN3』という書籍も出すことができました。

 

私の所属する団体の「日本語フロンティア」が著者になっていますが、この本ができるまでには多くの方のご協力がありました。
これについては、私のほうから声かけをさせていただきました。私の声かけに返事をしてくださった方と楽しく仕事をし、そして良い本を作ることができました。

そのことについては以下の記事にも書かれています。

 

【デジタル協業】

 

私がTwitter(X)を行っている目的は「仲間」を作ることがメインです。
その「仲間」と共に、お仕事・イベントなど、楽しいことをしていきたいのです。
そして、私が今いる日本語教育」という業界を楽しいものにしていけたらと思っています。

 

これからも、たくさんやりたいことがあるので、お声をかけさせていただくことがあると思います。
あと、私には出来ない仕事が来たときに、別の方にお願いするためにお声をかけさせていただくことがあると思います。

そんなとき、「いっしょにやろう」または「代わりにやるよ」と声をかけてくださる方が増えるといいなと思っています。
これからそんな声かけがあったときには、お返事くださいませ。

 

ただ、まったく知らない方とお仕事するのは大変なので、Twitter(X)の場合ニシクマをフォローしていただくとか、Facebookの場合は友だちになっていただくなどしておいていただけますと幸いです。できるだけ、日ごろからニシクマとやりとりをしてくださるとなお嬉しいです。

 

実は来年、ちょっとおもしろいイベントを考えています。日本語教育で初めてのイベントになるんじゃないかと思っています。その企画についても少しずつしゃべっていきますので、そのイベントについて興味がある方は、ニシクマとちょっとずつお付き合いをしていただけると思います。

 

どうぞよろしくお願いいたします🙇

 

最後までお読みいただきありがとうございました。