くまーるブログ

あやしうこそものぐるほしけれ。

日本語の初級から読解力のドリルを

 おかげさまで・・・
 今日で『2分で読解力ドリル』『2分で読解力ドリル ちょっとやさしめ』の発売から1年が経ちました。

 感謝申し上げます

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 予想よりも多くの方にお買い求めいただき、とても嬉しく思っております。
若干、ビビっております(笑)

 

 以前から読解力については考えていましたし、外国人への日本語教育の現場でも様々な実践をしておりました。
 『2分で読解力ドリル』の5つの分類も、その実践を通してできたものと言っても過言ではありません。
 「指し示すものが何か理解する(指示読解)」とか「道筋を追って理解する(論理読解)」などがその分類に該当します。5つの分類別に苦手意識をなくしていくことが読解力アップにつながるかなと思っています。

 

 でもそういったこととは別の問題を、ここ最近考えるようになってきました。

 それは何かというと、外国人への日本語教育において「読解の、そもそもの問題があるんじゃないか」ということです。


 それは、大きく言って3つに分けられます。

 

〔1〕そもそもまとまった長さの文を読み慣れていない。
 日本語だけではなく、母語でもまとまった長さの文を読んでいないと思われるのです。アンケート調査をしたわけでもないので今の時点では単なる主観に過ぎないのですが、学習者に聞く限りでは「自分の国の言葉でもあまり読むのは得意じゃなかった、好きじゃなかった」という感じです。

 

〔2〕設問文の意味が読み取れていない。
 これも単なる主観に過ぎないのですが…。

 

 「●●●」はどんなことを言っているか。
 ■■■しているとき▲▲▲であるのはどうしてか。

 

といった設問文(問題文ともいう?)の意味が分かっていないようなのです。設問文の意味がわからないので本文のどこを見ればいいのかもわからないようです。

 

〔3〕「ですます体」じゃない文に慣れていない。
 初級(日本語能力試験でいあばN4)レベルの日本語の読み物には「ですます体」が使われていますが、中級(N3レベル)に入ると、「ですます体」じゃない文が突然登場します。「ですます体」じゃない形式自体を学習者が知らないわけではないのですが、会話が中心で、「読む」という行為の中ではほとんど登場していません。それなのに中級になるといきなり「“~である”、“~する”というような形の文体の文章を読め」と言われても戸惑うんじゃないかと思います。


 〔1〕~〔3〕については初級レベルから実施してもいいと思っています。今のところ、こういうことを実践していきたいな、と思っています。

 

①読み慣れていない人にいきなり長い文を読ませるのはいけないので、2~3つの文からなる文章を読む練習をする。
 ※場合によっては一文読解でもOK
②設問の意味を理解してもらう練習をする。
③初級のうちから、ですます体以外の文にも触れてもらう。

 

 いつか、この実践をまとめて本(問題集的なもの)にすることができればな~って思っています。
 どこか手を挙げてくださる出版社様はいらっしゃるだろうか・・・💦💦