くまーるブログ

あやしうこそものぐるほしけれ。

フリーランス日本語教師について考えてみた

 縁あって、11/18(木)の21:45~22:40の時間に株式会社REN主催の「RENradio」に話し手として参加させていただき、フリーランス日本語教師についてお話をさせていただきました。

 

 私がTwitterのスペースに不慣れだったせいもあり、音声が聞き取りづらかった方、また、夜遅い時間だったために聴取することができなかった方もいらっしゃるようです。

 そこで、株式会社RENの樋口様のご許可をいただき、昨日お話した3つのお題とそれに対するニシクマの考えについて以下に掲載しようと思います。

 

①ニシクマにとってのフリーランス日本語教師の定義(整理)

 私が考えるフリーランス日本語教師の定義は以下の2つ。

 

 ●自分で仕事を見つけたり、依頼先からオファーを受けたりすることで日本語教師の仕事をしている人々のこと。

 ●年末調整じゃなくて確定申告の対象者(医療費控除とか除く)。

 

具体的には…

 日本語学校の非常勤を掛け持ちしている人
 オンライン教室で日本語を教えている人
 企業に勤める外国人に日本語を教える人

といった方々が該当するのではないか。

 

 あと、日本語教育じゃない仕事と日本語教育の仕事を同時に行っている人もいる。
そういう人もフリーランス日本語教師と呼んでいいのではないか。


②ニシクマが思う、フリーランス日本語教師に求められる力について

 

【1】広い世界を見る力

 ありきたりな言い方だが、日本語教育以外を見る力、日本語教育以外にアクセスする力あたりが必要かなと思う。

【2】長いものに巻かれに行く力(でも完全には巻き込まれない力)

 フリーランスはもともと独立している状態。好き勝手やってもいいし、空気なんて読まなくてもいい。

 でもあえて長いものに巻かれに行くと、いいこともある。あえて空気を読むと、いいことがある。ただし巻かれすぎには注意。


③今後の可能性(オンライン/留学生市場がどうなっていくのか)についてニシクマはどう思っているか

 

 オンラインは拡大を続け講師が増えていくが、それに伴い、過当競争が起きる(現に今単価が下がり始めている)ため、それに打ち勝つ必要がある。独自の教え方を持つか、どんなものにも対応できる力が必要。

 

 留学生の日本語教育は「特定技能の拡大」(11/17の日経報道)により大きな転機を迎えると考えられる。今までも留学生として日本語学校入ってきた外国人が日本語学校卒業後特定技能に進むことがあったが、それがより顕著になると思われる。そのため、例えばN4合格レベルの日本語だけを教えることがメインの教師も増えてくるかもしれない。または14の分野の試験の対策ができることが必要になるかもしれない。

 その一方で大学・専門学校進学を目指す留学生も一定数は残る。大学・専門学校卒業後に企業に勤めて日本に長く滞在する人も多い。そのためには初級から中級、または上級まで様々なレベルの日本語を教えられるようになる必要がある。

 

 今後は、特定技能での日本語のようにある特定の分野・レベルの日本語を教えることができるスペシャリストになるか、留学生のように様々な分野・レベルの日本語を教えることができるスペシャリストになるかの2つに分かれていくのではないか。

 

 ここまでが、RENradioでお話したことです。

 

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 ここからは、RENradioでお話ししなかったことで、フリーランス日本語教師の方(検討されている方も含みます)にお伝えしたいことを記しておきます。上から目線で書いてますが、お許しください🙇

 

〔ア〕仲間内だけで集まらない
 「広い世界を見る力」にも関係しますが、仲間内だけで集まらないほうがいいと思います。特に自分が主催・主宰する場合、囲い込みをしないことが大事です。同じメンバーばかりと接していると、安心感は得られるものの、狭い世界しか見えなくなってしまいます。

 

〔イ〕世代を超えた交流を
 同じ世代どうしの交流もよいのですが、他の世代の人とも交流をして知り合いになっておくとよいと思います。仕事をくれるのは他の世代の人のことが多いです。(あくまで経験則ですが…)

 

〔ウ〕日本語教育の中だけでお金を回しちゃダメ
 勉強会が増えてきて思ったことなのですが、日本語教師だけからお金を取るのは、運営資金のためならある程度は仕方ないと思いますが、継続的な仕事としてはやらないほうがいいと思います。自分が勉強会・セミナーを主催・主宰する場合、勉強会・セミナーはほどほどに開催しましょう。お金は同じ場所で回ると停滞してしまいます。他からお金を持ってくることが大事です。

 

〔エ〕知らない人との交流、知らない世界への冒険を!
 そのためにも、他の世代の人と接し、日本語教育以外の人と接することが大事だと思います。新しい出会いが新しい仕事につながるからです。
 全く別分野の勉強会とかセミナーとかに出てみるようにしましょう。

 

〔オ〕素性を明かさず接触してくる人・団体には要注意
 知らない人と交流する際に気をつけたいのは、相手の人・団体の情報です。素性を明かさずに接してくる人は要注意です。
 私が今まで全くの「初めまして」の状態からお仕事の依頼を受けたときは、その依頼主様からはものすごく丁寧な説明を受けました。説明資料が添付してあったり、雑誌の場合は見本誌を送ってくださったり。有名な出版社ですら「私たちのこと知ってるでしょ?」なんて態度を取らず、丁寧に自己開示をしてくださいます。
 仕事を依頼してくる人が「私の情報はリンク先を見てください」ではまずいです。まずはメールとかでしっかり丁寧に自己紹介をしてくれる人を選びましょう。そしてさらに慎重になったほうがいいです。SNS経由でお仕事をいただく場合は、その依頼主の方としばらくやり取りをして信頼ができたら仕事の話を受けるようにしたほうがいいです。「自己開示は自分からするもの」と思いますが、仕事を受けるときは相手が開示するのを待つ、でいいと思います。

 

 以上です。
 今後もフリーランスの方々と一緒に道を切り開いていければいいなと思います。
 こんな私でもお聞きになりたいことがございましたら、お気軽にご連絡くださいませ。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。