先日の「マージナルな存在」が思わぬ反響を呼んでしまい、ちょっと驚いています。
私自身、まだまとまった考えを持っているわけではないので、コメントをくださった方のご意見も踏まえ、ちょっとずつ整理していこうと思います。
今回は、ちょっと方向を変えて、食べ物について書こうと思います。
これも以前からあれこれ思っていたことでして…。
新型コロナウイルスによる感染症拡大防止のため、外国人が新規に日本に入国した際に、ホテルなどにひとまず滞在して過ごすという仕組みがあります。それについて一番よく聞く言葉は「レジデンストラック」でしょうか。長いので「レジトラ」と勝手に略します。
レジトラの際、ホテルに滞在する場合は、自室から出ることができません。でも三食の食事が必要なので、食事を届けてもらうことになります。この食事のことでちょっと小耳に挟んだのが「それぞれの出身国、または、それぞれ個人に合わせた食事提供」についてでした。例えば、こんな話を聞きました。
ムスリムの外国人に対して出した食べ物の中に「ポークエキス」が入っていた。
ベジタリアンの外国人に対して出した食べ物の中に「ゼラチン」が入っていた。
「固形の肉や魚だけを抜けばOK」と思っても、原材料まで見る人は少ないのでしょうね…。
こんな話もあります。
仕事柄、外国の人とご飯を食べに行くこともあります。私以外は全員外国人。国籍や言語はバラバラ。共通言語は日本語です。
そういったメンバーでご飯を食べに行ったとき、あるアメリカ人の方が「私、ベジタリアンなんですよ」と言いました。そうすると、隣にいたドイツ人の方が「そうなんだ。日本で暮らしていくの大変だね」と言いました。
うん、大変だ。
私もそう思います。
(決して、ドイツの人が「大変だね」と言ったことの真意をただそうとしているわけではありませんので悪しからず)
外国に比べて、日本はベジタリアンの人が暮らしていくには大変だな、って思うからなのです。
さっきのレジトラのときのように、いくらホテルや配達業者側に「肉の入っていないのをお願いします」って言っても、原材料までは見てもらっていないようなんです。もちろん、そこまできちんとチェックするホテルや業者もあると思いますが…。
あと、そのアメリカ人の女性が言っていたのが、「スーパーなどのお店でベジタリアンでも大丈夫な食べ物を探すのが大変」ということです。
「ベジタブルスープ」と書いてあったので買ってみたら、中に肉が入っていた、とのこと。「“野菜がたくさん入っている”っていう意味なんだね」と納得したそうですが、パッと見で肉が入っているかどうかがわかるといいですよね。
写真は以前ドイツに行ったときに撮ったものですが、一部の食べ物に「VEGAN」って書いてあります。ヴィーガンフードなので、ベジタリアンの人でも食べることができます。こうやってパッと見でわかるようにしてくれるだけでいいのに…。
ムスリムの人向けの食べ物でパッと思い浮かぶのが「ハラール(or ハラル)」のマークです。
画像は、エスビー食品様のHPより拝借
<ハラールマークについては、詳しくは以下のリンクよりご覧ください>
http://www.jas.org.sg/magazine/yomimono/shiro/halal/halal.html
こういうマークを食べ物の袋に貼っておけばいいんじゃないかな、って思います。
こういうマークで、ベジタリアンフードか、ノンベジフードかがすぐにわかるのは、インドで売っているものかな。
この写真はネパールで買ったバスマティ(細長い香り米のことです)なのですが、右下に緑の丸があります。これが、ベジタリアンフードを表す印です。ノンベジフードの場合は赤い丸印がつきます。
インドで売っているもの(ネパールで売っているものもインドからの輸入が多い)は、食料品すべてに付いているので、安心して買えるな、と思うのです。
このインド方式そのままでいいので、日本の食料品につけてくれないかな~ていつも思っています。
あ、さっきのアメリカ人とドイツ人がいるメンバーとの食事の場所を決めるのは私だったのですが、結局どこに行ったかというと、インド料理屋さんでした。
ベジの人、ノンベジの人のどっちも安心して入れるのは、日本ではインド料理屋さんぐらいしか思いつかないので…💦
買って食べるものだけでなく、外で食べる場所もベジタリアンの人には大変だなぁ、と思うのです。
もちろん、このようなページもあるのですが、もうちょっと数が増えるといいなと思います。
ちなみに、私がお金が余るぐらい稼いだらいつかやってみたいのが「ベジタリアンフードの居酒屋」です。大豆ミートで唐揚げを出したり、豆のはんぺんを出したり、グルテンミートの串カツを出したり…。どうしても単価は高くなりますが、需要はあるんじゃないかな、って思うのです。採算が取れなくてもいいから、やりたい…(笑)
ムスリムの人、ベジタリアンの人が安心して食べられる食料品、安心して行ける店が増えるといいな、と思います。
あ、最後に。
一口にベジタリアンと言っても、種類があります。詳しくは以下のページをご覧ください。
今回私が想定しているベジタリアンは「ラクト・オボベジタリアン(肉、魚は食べないが卵と乳製品は摂取する)」です。その方々をイメージして書いています。