くまーるブログ

あやしうこそものぐるほしけれ。

玉石混淆

 昨日と今日、2日連続でセミナー(どっちもオンライン)に出ました。

 内容としても、ファシリテーションとしても、そして印象としても全く好対照セミナーでした。

 今回は、そのことについて書こうと思います。
(ただし、私の主観であることをご了承ください。人によって合う合わないがあることをご理解の上、お読みいただけますと幸いです)


 まず、昨日。

 やっぱりセミナーであるからには、学びや気づきがあることを期待して出席します。今回もそれを期待して出席しました。

で す が ・ ・ ・ 💦 💦 💦


 スライドに出てくる内容は、知っていることばかり。新鮮味がありません。

 養成講座で勉強したことだから、他の参加者の人も当然知っていることのはず。

 でもっていきなり「BOR(ブレイクアウトルーム)に分かれて自己紹介をしていただきます」って…。

 この時点でちょっとトーンダウン。何で自己紹介? 名前だけでいいじゃない、って思ったのです。それよりも早く授業での進め方を教えてくれないかと思うのでした…。

 幸い、メンバーの方が私のことを知らない人ばかりだったので、「日本語学校の顧問をしています」などと、すごく適当な自己紹介をしておきました(笑)

 ようやく自己紹介が終わって再びメインセッションへ。

 で、ようやく授業での進め方を教えてくれるのかな、と期待していたのですが…。

 授業での進め方を説明してくれるのでもなく、「今から私がやってみせますね」と言って、配布された素材を使って話を進めるのでした。

 

 その進め方も唖然としました。
 前作業に当たる部分をダラダラと口頭で読み上げるだけ。
 これでは、当日の受講者はおろか学習者すらも興味を引くことが全然できません。

 素材にあった設問の意図を解説をしてくれるのかと思いきや、再びBORへ。

 「各グループで考えてください」って、何を考えればいいの?

 考えるための前提を示してもらっていないので、何をどう考えればいいのか全く分からないままグループで話し合い。結局そのグループ内でも大した話し合いはなされず、違う方向へ話が進んでいく。まったく面白くない。

 

 BORから戻ってきたら、今度はBORで何を話していたかの発表。この時間も長すぎます。でもって講師はその発表に「そうですね」というだけで、まとめに入ろうとしていました。

 

 いやいやいや…

 

 私が聞きたいのは、講師のあなたの持つ「技」であり「教え方」なんですよ。
 もしくは経験談でもかまいません。学習者はこういう風に考えているとか、こういう行動に出るとか、実際の授業でのこととか…。
 せっかくスライドがあるのなら、それをスライドで示してくれたっていいじゃないですか~。

 

 結局、そういうのは全くなく、まとめに入りました。
 それも養成講座で習うことと全く同じ。

 スライド部分は何一つ新しい情報がありませんでした。
 セミナー時間の半分以上がBORの時間でした。

 

 正直言って「いや~、なんだったんだろう。この時間は」という感じでした。

 そうそう、気づきすら一個もないんです。

 他の参加者の人は満足できたのでしょうか?

 

 初任の人ならまだ「養成講座時代の復習ができた」って思うかもしれませんが、それだったら「復習しましょう」とかいう文言を告知に入れておくべきだと思います。
 それに内容的に、参加者の雰囲気的に初任の人向けだなと思ったので、告知に「初任向け」って書いておくべきだと思いました。

 

 そういう意味でも失敗でした。

 運営団体も聞いたことのないところだったし、講師の人も知らない人でした。
 しかも今回のセミナーのテーマの分野のことに詳しい人だとは思えませんでした。

 

 だから、こういうセミナーというのは実績が大事かな、と思いました。

 講師の実績を告知に書いてほしいものです。

 

 完全に、大失敗でした。
 もう二度と受講しようとは思わないでしょう。

 

 そして、私にとっては「こういうセミナーをしちゃいけないな」と心を引き締めるきっかけになりました。

 

 そして今日。

 

 「どうやって教えていますか? JLPT文法・読解  教える土台を作るセミナー」
というセミナーを受講しました。

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 昨日のショックがあり、「気づきがなかったら、どうしよう…」と心配していました。

 でも、それは見事に吹き飛びました

 

 思ったことを、箇条書きで示したいと思います。

 

(ア)気づきが多い!

 お話しになることの中には私にとって知っていることも多いんだけど、データとか研究結果とかが加わるので、私が知らないことがちょこっと入ってくるのがありがたかったです。「おおお」とか「やっぱり」とか思えるのがいい瞬間でした。

 

(イ)実際の経験を喋ってくれて、嬉しい!

 今日の先生はいろいろと授業での学習者の様子や、教えているときの思いなど、たくさん話してくださいました。経験談を話してくれると、そこから発見とか同調とかがあるので、印象に残ります。
 昨日の講師の人は、実際に授業でどんなだったかとか、こういう失敗があったとかの言及が全くなく、「養成講座で扱う内容と同じことをただ喋っている」という印象を持ちました。

 

(ウ)ファシリテーションが上手!

 話し手が聞き手に一方的に話すのは聞き手にとって疲れることなので、ところどころで考えるコーナーを作るのは大事だと思うのですが、考えてもらうときには「さ、考えて」と丸投げされるのは聴衆としては嬉しくありません。
 今日の先生は「これには読みのストラテジーが入っています。どんなストラテジーか考えてみましょう」といった感じで質問をしてきたので丸投げ感がなく、何をすればいいかきちんと指摘してくれました。
 昨日の講師の人は受講者に問いかける質問があいまいでわかりにくく、何をしたらよいのかがわからなくなりました。昨日の講師の人は「ファシリテーションが大事」みたいなことをおっしゃっていた割には、ご自身のファシリテーションはあまり上手ではなかったように感じました。

 

(エ)質疑応答の時間があった!

 昨日のセミナーは、質疑応答の時間がありませんでした。
写真撮影の時間の後にあったのかもしれませんが、昨日のセミナーが苦痛になってきたので写真撮影になった瞬間に退出をしました。
 でも今日のセミナーの場合、第1部が終わったときや、話をなさってる間に、「ご質問はチャットにどうぞ」とおっしゃっていたので、気軽に質問をすることができました。しかも丁寧にお答えをなさってくださって…。本当にありがたかったです。

 

 (オ)著者の方に直接話を聞けた!

 やっぱり、これは大きいです。
 裏話を聞くことで「ああ、この部分はこういう意図で作ったのか」ということがわかりました。本当にいいことだったと思います。
 著者じゃないといけないっていうわけじゃないのですが、実績(蓄積)って大事だな、と思いました。やっぱり、昨日の講師の人は…(以下略)

 

 

 最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。