くまーるブログ

あやしうこそものぐるほしけれ。

Ars longa, vita brevis. (芸術は長く、人生は短し。)

2023年3月28日、作曲家の坂本龍一さんが亡くなりました。

 

1月にユキヒロさんが亡くなり、それに続くように教授も…。

間を置かずにYMOの2人がこの世を去っていったことに本当に悲しくなりました。

ツイートもしたのですが、ブログで改めて私の好きな教授の曲を紹介したいと思います。


まずは、「Ballet Mécanique」です。
途中の「僕には、始めと終わりがあるんだ」と「音楽、いつまでも続く音楽」という歌詞が胸に響きます。

 


「Ballet Mécanique」が発表されたのは1986年4月なのですが、1か月前にアレンジ違いで「WONDER TRIP LOVER」という名前の曲として発表されています。歌っていたのは岡田有希子さん。岡田さんはこの曲の発表の2週間余り後に自殺してしまいます…。

 


そして、「Ballet Mécanique」はもう1つのアレンジがあります。ドラマ「ケイゾク」のオープニング曲でもあった「クロニック・ラヴ」です。この曲すらもう24年経っているんですね…。

 


戻って、「Ballet Mécanique」。
カバーではこの方の曲も好きです。

 

 

 

次は「SELF PORTRAIT」。どこか暗めのところもありますが、聞いていて元気が出る曲です。人生いつも上向きとは限りませんしね。



次は、「い・け・な・いルージュマジック」。
忌野清志郎さんとも天国で一緒にセッションしているのでしょうか。



次は、「愛してる、愛してない」です。
色恋、もしくは艶?を感じさせる曲です。
この頃の教授は、色気がありました。



次は「Anna」。
色気だけじゃなく、オシャレさもありました。
オシャレな曲、っていう言い方はヘンかもしれませんが。

 


次は「君と僕と彼女のこと」です。
男女3人が織りなす映画を見ているみたいな曲でした。

「僕達は10年後あの頃のように波を受け風を切り海原を行く
 それぞれの新しい家族を迎え
 輝いた航跡を振り返らない」

この歌詞とメロディーが私の心に妙にシンクロするんです。
「何かが終わった」と感じるときに聞くと、余計にシンクロしてしまいます。



次は、「Bibo no Aozora」。大貫妙子さんが歌うのを選んでみました。大貫さんは教授が荼毘に付される前に対面がかなったそうですね。



次は、「Heartbeat」。
ハウスミュージック風の曲も作ってしまうという本当に多才な方だな、と思います。
発売当時(1991年)ハウスミュージックが好きだったので、お気に入りの曲でした。



「Heartbeat」の別ミックス。
YMOの「Absolute Ego Dance」の「イヤサー」の声っぽいのが入ってる気がします。


 

このセクションで最後に取り上げるのは「Thousand Knives」。
「教授と言えばこれ」と言えるに相当するものだと思います。
教授の原点と言っていいと思います。


 

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次のセクションに入ります。

教授は、いろんな方々に楽曲提供もしていました。

私個人としては、教授の楽曲提供で忘れられないのが中谷美紀さん。「Ballet Mécanique」のところで「クロニック・ラヴ」を取り上げましたが、他にもまだ印象的な曲があるのです。その1つが、「Mind Circus」です。

「君の誇りを汚すものから
 君を守っていたい
 野蛮な街に心が
 負けてしまわないように」

歌詞も印象的でした。



中谷美紀さんに提供した曲でもう1つ取り上げるならば、「砂の果実」でしょう。

「生まれてこなければ
 本当はよかったの?
 僕は砂の果実
 氷点下の青空」

この歌詞も、とても印象的でした。



「砂の果実」と来れば、娘さんである坂本美雨氏が歌う「The Other Side of Love」ですね。

In my heart, I know I must be right

Darkest shadows will someday come to light



そしてダウンタウンとの交流が一番多かったですね。「GEISHA GIRLS」をプロデュースしたときはビックリしました(笑)


 

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次のセクションは、リフ(繰り返し)です。

リフによる曲が多いことも、私が教授の曲が好きな理由の1つです。
教授の曲のリフは、とても心地よいです。

心地よいリフで好きなのが、「Amore」です。



「put your hands up」、これもリフが好きな曲。
筑紫哲也 NEWS23」のテーマ曲でした。



次は、「Borom Gal」。
ここまでくるとリフというよりはミニマルミュージックです。一度聞くと頭に残る旋律です。



次は「1919」。
音楽の後ろで流れる声はレーニンの演説らしく、その演説がなされた年である1919年がタイトルになってます。
ミニマル全開で、これも好きな曲の1つです。

 

 

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ここからは、映画音楽です。教授は、多くの映画音楽も残しています。
まずは、「戦場のメリークリスマス(1983年)」。

 


あまりにも有名すぎる曲です。教授自身、ヨノイ大尉役としても出演しました。デヴィッド・ボウイ氏とのキスシーンが印象的でした。

このシーンです。

 

次は「王立宇宙軍オネアミスの翼(1987年)」。

好きなアニメ映画の1つです。
この曲を聞くだけで、今でも映画の中の情景が頭に浮かびます。
すごいことです。

なお、教授の映画音楽の中では、唯一のアニメ映画。



これもオネアミスの翼。こちらのほうが音がいいです。
坂本龍一氏はオネアミスの翼の製作側と途中で揉めたらしく、この曲が無かったような扱いになっています。



次は「ラストエンペラー(1988年)」。
これは説明不要でしょう。アカデミー作曲賞を受賞した曲です。
授賞式のときに英語で謝辞を述べたのがかっこよかったなぁ。
まさに「世界のサカモト」と言える瞬間だったと思います。

教授自身、甘粕正彦役を演じましたが、それがきっかけて甘粕正彦という人を知ることになりました。

 


ラストエンペラー」の中では、私が好きな曲がもう一曲あります。

「Rain」です。


ラストエンペラー」で溥儀と文繡が別れるシーンで雨が降るのですが、そこで使われています。
雨とこの音楽が絶妙に合うんです。雨が降っている日にこの曲を流すと、何だかしんみりしてしまいます。

このシーンです。


 

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次のセクションは、カバーです。

教授が「世界的だな」と思う面はたくさんあります。アカデミー作曲賞受賞とか、バルセロナ五輪のテーマ曲とか…。その中で私にとって印象的なのはYMO時代に作曲された「Behind the Mask」のカバーです。最初のカバーしたのが、あのマイケル・ジャクソンでした。



グレッグ・フィリンゲインズも「Behind the Mask」をカバーしています。



忘れちゃいけないのがエリック・クラプトンのカバーです。
一番ロックを感じさせる「Behind the Mask」です。
トガっていますね。



テクノポップで私が好きなヒューマン・リーグも、カバーしています。
前のクラプトンロック風味は残しつつも、テクノポップに戻っています


 

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そして、最後のセクションは、CM。
CM用の楽曲も、本当にたくさん提供しています。
2002年には「CM/TV」というベストアルバムがあるぐらいです。
収められている曲は50曲。

 

有名なのが、「energy flow」。
これはリゲインのCMで知られることになった歌。
「今日がんばった分は、この曲を聞いて今日のうちに解放しよう」という思いになれる曲です。

 

 

CM曲の中で、意外な楽曲提供の一つがキャセイパシフィック航空のCMのための曲です。
「The Heart of Asia」という名前の曲です。

 

キャセイのCMは好きで、これなんか本当にきれいです。
最後に「The Heart of Asia」と言っていますね。
当時のキャッチフレーズだったのかな?


終わりのほうに「The Heart of Asia」の曲とキャッチコピーが流れてきます。
「パーソナルテレビ」という響きがある意味斬新です。今では単に「モニタ」と呼ぶかな。

 

このCMが一番印象に残っています。
でもこのアップテンポのものはCDには収録されていないんだよなぁ。
今もこうしてYouTubeで見られるのがありがたいです。

そんなキャセイですが、5月に乗ります。
今から楽しみです。
「The Heart of Asia」の曲とキャッチコピーを胸に。

 

 


そして、そして、最後の最後です。
CMと言えば…。どうしても最後にこれを紹介したくって。

 


 

16年前(2007年)のCMです。
座って待っているユキヒロさんに向かって、教授が「お待たせ」と言い、そして細野さんが「お待たせぇ~」と言っています。
悲しいかな、現実にもこの順番で「お待たせ」と言うことになってしまいました・・・。

でも、細野さんが「お待たせ」と言うのはもうちょっと後にしてほしいです・・・。

 


CMに収められている曲です。
Rydeen」の作曲はユキヒロさんですが、このアレンジは教授が行ったんじゃないかと勝手に思っています。
(調べてみたら、やはり教授のアレンジのようでした)

 

 

坂本龍一さん、本当に、本当に、
多くの素敵な楽曲を、ありがとうございました。
ご冥福をお祈り申し上げます。