くまーるブログ

あやしうこそものぐるほしけれ。

サイゼリヤと若いお坊さんと日本語教育と。

コロナ禍での生活も、3年目を迎えました。

最近は第6波が訪れていますが、感染者も急減はしていないけど減少傾向で、

まん防も終了に近づいています。

 

そこで、この3連休は外食多めで過ごしました。

といっても、贅沢をするのではなく、普段行けてなかったお店にただ行くだけ・・・💦

 

んでもって、昨日(3/20)入ったのはサイゼリヤ

 

 

そしたら、4人組の若い男の人たちが座っているのが見えました。
坊主頭だったので、最初は野球部の高校生かなと思ったんです。

 

でもよく見ると、髪の毛が短いのではなく、剃ってある。
しかも1人は作務衣を着ている。

 

「ああ、お坊さんだ」と心の中で思いました。

 

ドリンクバーに飲みものを取りに行くついでに何度も見て確信しました。

うん、やっぱりお坊さんだ。しかも、全員若い。

 

4人の若いお坊さんがサイゼリアにいる、っていうだけで何か日常から離れた感じがしたのですが、聞こえてくる会話がとても興味深いのです。
(お坊さんだからか、みんな声が通るのです。なので、よく聞こえるのです)

 

「お彼岸なのに時間有るの?」

 

とか

 

「何かの研修?」(4人とも名古屋弁じゃなかった)

 

とか思いましたが、とにかく聞こえる会話が気になってしょうがないのです。

 

忘れてはいけません。

私はご飯を食べに来たのです。

「アーリオ・オーリオ(300円)」と「ペコリーノチーズ(100円)」を注文しました。

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(どうでもいいのですが、この2つで私はシアワセな気持ちになれます。ドリンクバーつけても600円。サイゼリヤってすごいな、と思っています)

 

さて、食べ物が運ばれてくる間も、気になって聞き続けます。

 

4人の若いお坊さんが熱論しているのです。

部分的にしか聞き取れないのですが、こんな感じでした。


「俗世と並行でやってくの大変だよね」
「それ、南無阿弥陀仏だよね」
「僕は煩悩とかゲスいところをさらけ出しますね」

 

もう、仏教用語と若者の言い回しのミックスが絶妙で、「ああ、ずっと聞いていたい」とも思っていました。

そして、アーリオ・オーリオとペコリーノチーズ到着。
混ぜ混ぜしながら食べ始めるのですが、味よりも、お坊さんたち熱論の行方が気になる…。

 

メールとか、LINEのメッセージのことをすべて「便り(たより)」と言っていることに、ジワる。

 

こちらから送っても全然返事の来ない「便り」をブロックするかしないかの議論も、白熱していました。
お坊さんといえども、ブロックについて判断に迷うことがあるんですね・・・💦

 

内容が気になりすぎて、アーリオ・オーリオの味が既に分からない・・・😅

 

ジワると言えば、「これを実現するには今生(こんじょう)ではムリ」というセリフにもジワっときました。

 

きっと「現世」もしくは「今の世の中」ぐらいの意味なんでしょうが「今生」と言われたときの何か神々しさといったら・・・✨

 

きっと日常生活で聞くことは(やや)少ない「呉音」のせいなんでしょうね。
漢字が日本に伝わってきたときに前後して仏教も伝来していると考えられるので、漢字輸入の初期の発音である呉音が仏教用語には多かったりします。

 

頭 呉音-ズ 漢音-トウ

行 呉音-ギョウ 漢音-コウ

今 呉音-コン 漢音-キン

生 呉音-ショウ 漢音-セイ

 

そして、次は(多分)寺院経営の話をし始めました。

 

「ウチの業界って、家族経営じゃん。会社組織にする必要があるんだよね。これからの時代・・・」

 

とか

 

「それを成功事例としてブランディングをして・・・」

 

とか聞こえてきました。

 

お坊さんの口からブランディングという言葉が出てくるとは。

しかも、「業界」って・・・💦

 

内容が気になりすぎて、ペコリーノチーズの味が…😅

そして、「呉音の漢字」アンド「最新の外来語」のミックスというのも新鮮だったのかもしれません。


そして、店員さんが「ラストオーダーの時間ですがご注文は…」と言いかけたら4人が異口同音で「ないっす」と。

「っす」とも言うのね💦

 

今まで持っていた、お坊さんのイメージとは違う世界に触れました・・・🌄

 

ずっと粘って聞いてたのですが、まん防の関係で9時閉店だったので、ここでストップ✋
もうちょっと聞いていたかったです💦

 

そう言えば、最後のほうでは「この業界をどうするか」とも言っていました。

業界というのはお坊さんの業界だと思うのだけど、きっと「今までと同じやり方ではいけない」とか「檀家の数が減っている。どうやって収入を得るか」とか、何らかの危機感があるのだろうな、と思いました。

なんとなくですが、お坊さんも大変なんだ、ということがわかりました。

 

帰り道、自分の若いころを思い出しました。

 

私も若いころ、「日本語教育の業界をどう盛り上げるか」とか、「どうやってプレゼンスを高めるか」とか、「収入をUPするにはどうすればいいか」などについて、仲間と話し合っていました。

 

何かいい答えが出たわけではありません。

 

その後、私自身が何か劇的に変わった気もしていません。
日本語教育の業界もさして変わった感じがしていません。

 

もちろん、変わった部分もあると思います。

それに、これからは変わる気がするんです。

 

特にコロナ禍を通して、だいぶ変化したものがあります。

また「働き方改革」という言葉も現れ、日本語教育を巡る労働環境も変わりつつあります。

 

変わる気が、するんです。

 

きっと今もどこかで、若い世代の日本語教師の方が、あれこれ熱論を繰り広げているだろうと思います。

そんな若い世代の方に、頑張ってほしいなあと思います。

そしてそれを応援したい


若い人に仕事をどんどんやってほしいし、アイデアも出してほしいし、失敗してもいいからチャレンジしてほしい。そういう場をどんどん作っていくのが私の世代の役割なのかな😅

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

気になるローマ字表記

 

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焼肉食べたいな~!

 

ではなくて・・・💦💦💦

 

ずっと前から、街のあちこちに見られる特定のローマ字が気になってなりません。
正確に言えば、ローマ字のつづりですね。

たとえば、これ。

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画質悪いですが、初期のスマホで撮った写真なのでお許しください。

「Sambomatsu」となっています。

ヘボン式訓令式が入り混じっています。

全部ヘボン式で書くのなら、「Sambomatsu」のはずですが・・・💦

ヘボン式訓令式が入り混じると言えば、これも。

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「SACHI-CHIとなっています。

全部ヘボン式で書くのなら、「SACHI-ICHI」のはずですが・・・💦

さらに、これも。

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「Josu」となっています。

全部ヘボン式で書くのなら、「Josu」のはずですが・・・💦


そして、ヘボン式でも訓令式でもないつづり方が、街では見られます。

まずこれ。

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「Ju-Ju Karubi」となっています。

全部ヘボン式で書くのなら、u-u Karubi」のはずですが・・・💦
全部訓令式で書くのなら、yu-yu Karubi」のはずですが・・・💦

 

この手のものは結構見られまして・・・。

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「JOGAKUIN」となっています(右)。

左の「Jogakuin」のほうが、ヘボン式では正しいのですが・・・💦
路面電車の行き先は「Hakushima」となっているので、ヘボン式ですよね。

あ、そうそう。

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昔、文化庁の国語施策情報システムのWebに掲載されている「常用漢字表」のPDFファイル名が「jouyou」となっていたのは驚きでした。
(現在はリンクはありません)

 

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それと、この画像によると「めっちゃ」が「mea」になっています。

もうこれに至っては・・・💦💦💦💦💦

全部ヘボン式で書くのなら、「mea」になるのですが・・・💦💦💦💦💦

なんでこうなるんでしょうかね・・・。

ちなみにローマ字のつづりについては、現在はこれといったスタンダードはありません。

いちおう、スタンダードと言えるのが「ローマ字のつづり方」というものです。
昭和29年(1954年)12月に内閣によって告示されたたものです。

それ以来、変更・改正等はありません。

https://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/sisaku/joho/joho/kijun/naikaku/roma/kaisetu.html

www.bunka.go.jp

そのためか、小学校では訓令式を習います。ヘボン式はそのおまけみたいな形で出てきます。

でもパスポートにはヘボン式ローマ字で記すことになっていますし、鉄道のローマ字表記はヘボン式で記すことになっています。

なのでそろそろヘボン式に統一してもいいと思いますし、ヘボン式でも訓令式でもないものについては「変種」としてあくまでも個人の使用にとどめるのがいいのかな、とも思っています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

質問づくり

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 今日は、こんぶの会のワークショップに参加いたしました。

 今回のテーマであった「質問づくり」について、当日まで何も知らないまま参加しました。

 映画で言うところの「何も予習をしないで見る」に相当します💦
ちょっとは調べておいてもよかったのですが…💦

 

 私は相変わらず、大勢いるところにいるとなんか緊張して気配を消したくなるのですが、今回の参加者は一度か二度お目にかかったことがある方ばかりで、どこに気配を消したらいいのかわからなくて、どぎまぎししているうちに最初のお題が出て、そのお題の答えが出てこないまま自分が発言する番になり、ミュートを解除するのを忘れて焦ってしまう、という相変わらずのダメダメっぷりを発揮してしまいました💦

 

 今回のサブテーマでもあった「日本語教師の専門性」というのは、私自身は何者であるかが全くわかっていません。「内部的な形づけ」が全くできないのです。

 でも、日本語教育以外の分野の方々にお会いして、「日本語を学ぶときの注意点」「日本語の仕組みについて」「外国人の考えていること」などをサラッと話すと、その方々が「へぇ、そうなんですか! 知りませんでした。目からウロコが落ちました」というようなことをよくおっしゃるので、そういったときに専門性を感じるのです。言うならば、「外部的な形づけ」とでも言えばいいのでしょうか。

 

 話がそれてしまいましたが、今回のメインテーマであった「質問づくり」について、ちょっと感想を書いてみようと思います。

 

 その前に、簡単に「質問づくり」について説明します。

 本当はいくつか工程があるのですが、はしょりにはしょって言うと、

 

●ある「お題」が出される
●その「お題」に対して何でもいいから質問を作る
 (質問文を書き出してみる)

というだけのものです。

 

 でもこれが簡単そうで難しいんですね。


 もちろん「お題」によっては作りやすいのかもしれませんが・・・。

 今日の「お題」は、私にとっては難しかったです。

 

 なので、グループ分かれて話し合っているときも、なかなか意見が出てきませんでした。
 「う~ん・・・」って考えこんでしまうんですよね💦

 

 自分がロジトレを使って授業するときは学習者の方々に「考えて~!」と言っている立場のですが、今日は自分が「考えて~!」と言われる立場だな、と思いました。

 

 でも時々はこうやって「う~ん・・・」と考える時間が必要だな、と思いました。その意味でも大変有意義な時間でした。

 

 で、ですね。

 

 「質問づくり」の話し合いの時間に、ちょっと違うことを思い出していたんです。
(同じグループの皆さん、ごめんなさい! ときどきちょっと違うことを考えていて、目が泳いでいたかもしれません・・・💦)

 

 それは何かというと、「授業中、留学生にこんなことをしてもらったことがあったなあ」ということなんです。

 

 1つが、読解の設問を作ってもらう作業。

 読解をただ解くだけではおもしろくないので、素材となる文だけ読んでもらって、それに対する設問を考えてもらうものです。一番シンプルなのは、本文の内容に合っているかを○×で問うもの。1問でいいから作ってもらっていました。

 

 もう1つが、JLPTの文字・語彙風の問題を作ってもらう作業。

 

  ベトナムの首都は(   )です。

  1 ハノイ 2 ホーチミン 3 ダナン 4 ハロン湾

 

 こんな感じのものをよく作ってもらっていました。

いずれも目的は、ロジトレの延長線上にあるもので、物事を筋道を立てて考えてもらい、表現してもらう、というものでした。他の目的として「作り手の気持ちが分かったら、試験問題とかに取り組みやすくなると思うので試験問題に慣れるため」というのもありました。

 最初は留学生たちは要領がのみ込めず四苦八苦していましたが、何度かやって慣れると、面白い(興味深い)問題を作ってくるんですよね。

 

 なので、今回の「質問づくり」も、最初のうちは難しいのかも知れませんが、慣れると面白い作業になるんじゃないかと思います。
 今日私が「難しい!」と思って頭を抱えてしまったのも、初めてだったからかもしれません。
 数回やっていくうちに、慣れて楽しいものになるだろうと思います。

 

 そして、そして。
 ワークショップの間、まだ別のことを考えてしまっていました。

 

 それは「この『質問づくり』を留学生や技能実習生の授業で使えないかな」っていうことです。
 ディベートやディスカッションはもちろんのこと、作文のテーマ決めや内容を掘り下げるときにも使えるな、と思いました。

 あとは調べ学習とかある行事の下調べとかにもいいかも。

 

 例えば、陶芸体験をしに行くとします。
 (私の住んでいる愛知県は焼き物が盛んなので、陶芸体験が比較的実施しやすいです)

 

 そこで、「陶器」をテーマに質問を作ってもらうことにします。

 

 そうすると、例えば…。

 

  「陶器ってどうやって作る?」
  「陶器は何に使う?」
  「陶器がないときは何で食べる?」
  「陶器は必要? 不必要?」
  「陶器が有名な場所があるのはなぜ?」

 

などが質問として出てくるかもしれません。

 

 こういう質問って、私の中では「教師が出すもの」と思っていました。
教師が最初から与えないにしても、学習者とのやり取りの中で作っていくものだと思っていました。
 でも、学習者自ら作っていってもいいんですよね。

 辞書とか駆使して、質問を作ってもらってもいいと思うのです。
 教師は巡回しながら、日本語を修正すればいいのかもしれません。

 具体的な進め方についてはまだよくわからないですが、こうして出てきた質問に沿って自分たちで下調べをして、そして陶芸体験をしに行けば、より興味を持って陶芸体験ができるでしょうし、後日、陶芸体験の風景も交えてプレゼンもできると思います。

 そうすれば、「陶芸体験」という行事が立派な「学習」になります。

 

 とにかく、自分の中でいろいろな思いが広がる、素敵な時間になりました。

 

 このようなきっかけをくださる素晴らしいワークショップをしてくださるこんぶの会の皆様にはいつも頭が上がりません。ありがとうございます。

 また次の機会に参加できましたら幸いです。

 最後に今回のワークショップでの「質問づくり」において紹介された書籍のリンクを貼っておきます。

 

書籍名:『たった一つを変えるだけ』

www.shinhyoron.co.jp

 

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

教育漢字の日と漢字ミッション

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 今日、2月16日は、「教育漢字の日」とも言ってもいい日です。

 今から74年前の1948年(昭和23年)の2月16日、「当用漢字別表」が公布されました。
 この「当用漢字別表」こそが教育漢字なのです

 戦後、漢字を制限する目的で日常生活の中で用いる漢字の範囲を示すものとして1946年(昭和21年)11月16日に公布されたのが「当用漢字表」。

 「当用漢字表」に掲げられている漢字の数は1850。そののうち 881字が「当用漢字別表」、すなわち教育漢字として選ばれました。

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(画像は文化庁のホームページより。日付は答申日なので1948年ではない)

 

 ちなみにその後、

 

1958年(昭和33年) 「学年別漢字配当表」という名称に
1968年(昭和43年) 115字が暫定追加 ※実施は1971年度(昭和46年度)
1977年(昭和52年) 115字が正式追加され、996字に。 ※実施は1980年度(昭和55年度)
1989年(平成元年) 20字が追加、10字が削除され、1,006字に。 ※実施は1992年度(平成4年度)
2017年(平成29年) 都道府県名に含まれる20字が追加され、1,026字に。 ※実施は2020年度(令和2年度)

 

という変遷を遂げています。

 

 さて、そんな日に、偶然にも日本語教育関係の方のTLを騒がせた動画がありました。

[漢字mission!]

www.youtube.com


そして私のツイートです。

 

実に素晴らしい動画でした。

 

小学生が日ごろの学習で使っている「漢字ドリル」についての疑問点を挙げ、それに代わる新しい漢字学習ツールを考え出したことには驚くばかりでした。

 

ただ、発想はいたってシンプルで、マンダラートを使っているだけなんですよね。

盲点でした。私でも気づけるものだったのに(笑)

 

発想は、「気づいたもん勝ち」ですね、やはり。

 

関係ないけど「漢ミツ」と略せるところがスゴい。
私も名前を付けるときは「省略ができるか、省略が呼びやすいものか」ということを気にします。
(「ロジトレ」も実はそうなんです。名称にはこだわりました)

 

そして、そしてです。

 

日本語教師の端くれとしては、日本語学習者向けに作れたらいいな、と思うわけでして。
そこで、「漢字mission!」を日本語学習者向けにアレンジするならどうすればいいのか、現時点での想像(妄想?)をしてみました。

 

①日本語学習者向けには、音読み訓読みの区別は要らないと思います。その一方で、学習者向けの「読み」は必要かと思います。

 

例えば、「失」の場合「シツ」だけでなく「シッ」の読みも追加
「敗」の場合「ハイ」だけでなく「パイ」の読みも追加

 

 これは私が昔からこだわっていまして、母語話者には「失」が「シツ」と読むとき(例:「消失」)と「シッ」と読むとき(失策)をほぼ無意識に判別できますが、学習者にはそうはいかないと思っています。

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 上掲の写真は拙著(ただし共著)の『パターン別徹底ドリル 日本語能力試験 N3』なのですが、学習者向けに本来は取り上げることのない読み方(促音とか濁音とか半濁音)を入れています。

 

 また、「建物」「受付」「立場」のような特別な読み(慣用により許容されている読み方)の情報を追加するスペースが欲しいなと思いました。こういう漢字も学習者にとっては理不尽です。

 

例えば「建」の場合は

 ケン(建設、建材、封建)
 コン(建立)
 た・つ(建つ)
 た・てる(建てる)

までは漢字辞典に登録されていますが、学習者向けには

 

 だ・て(一戸建て)
 たて(建物、建具、建前)

 

も読みとして入れてほしいのです。

 

②日本語学習者向けには、部首じゃなくて「パーツ」にわけることを実践してもらうのがいいかな、と思います。

 

「失」の場合、例えば「ノ」「一」「大」に分解。
もちろん分解しなくて「失」として理解してもらってもかまいません。

「敗」の場合、例えば「目」「ハ」「ノ」「又」に分解。
もちろん「貝」「攵」に分解でもかまいません。

 

③「自分から調べる」には賛成です。

 漢字に関するインターネットサイトは山ほどあるので、形や意味は自分からアクセスして調べてもらえたらいいなと思います。
 ただし、例文を作るのは大変な場合があるかもしれません。
 日本語学習者向けには、自分で例文が作れない場合、インターネット上を検索して例文を見つけてもらうのがいいかなと思います。

 

④「達成感」「続けられる」あたりは学習者次第かなと思います。

 うまくやらないと、達成感が得られなかったり、続けようという気持ちにならないかもしれません。
 「漢字mission!」自体をすることが学習者への「押し付け」にならないようにしたいものです。

 

⑤「書いて覚える」について、私の考え

 私は、「空書でもいいから何回か漢字を書いてみるっていうことは大事だ」と思っているタイプの人間(古いですかね…💦)です。

 だから、やっぱり「漢字を何度か書く」っていうことは必要だと思うのですが、きょうび、もう必要ないんでしょうかね…。

 そう思ってもう一度ゆっくり動画を見てみたら、「漢字mission!」って手書きで作ってるんですよね。しかも「土」なら「土」の入った熟語や例文を書き込むことでおのずと何回も書く練習をしたことになっています。

 これなら、「漢字を何度か書く」ということになっているのかもしれません。

 

 さぁ、私も日本語学習者向けの「漢字mission!」を作ってみようかな。

 でもきっといろんなお仕事で忙殺されているうちに「作りました!」っていう人が現れる予感しかしません(笑)

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

日本語教育史紀行(メモ)

(1)清(中国)からの留学生に対する日本語教育

1896年…清政府から日本政府に依頼された14名の留学生(補欠1名含む)を嘉納学校(後の亦楽書院、弘文学院)において引き受ける。

1898年…高楠順次郎(たかくすじゅんじろう)が日華学堂を東京・本郷に設立

1899年…嘉納学校で引き受けていた留学生専門の塾として「亦楽(えきらく)書院」を東京・牛込に設立。
1902年…規模拡大のため牛込に弘文学院を開く(のち宏文学院と改称)
1903年…松本亀次郎が弘文学院の校長に


(1-1)日華学堂の移置

1898年6月 本郷区駒込西片町一九番地に最初の校舎兼宿舎が置かれる(文京区西片一・二丁目)
1898年11月27日 小石川区指ヶ谷町一四〇番地に移転(文京区白山1、2、4、5丁目)
1899年3月30日 本郷区駒込東片町一四五番地に移転(文京区向丘一丁目)

※地図で見れば、①駒込西片町一九番地、②指ヶ谷町一四〇番地、③駒込東片町一四五番地の三つの校舎はすべて東京帝大と第一高等学校からほど近い場所にあった。


(1-2)亦楽書院、弘文学院、宏文学院の移置

1899年 神田区三崎町に設立(千代田区神田三崎町1丁目2番地)
1901年 牛込区西五軒町34番地に移転(新宿区西五軒町13番地)※現在住友不動産飯田橋ビル3号館が立っている場所。

manju.livedoor.biz




(2)宣教師・外交官に対する日本語教育

1893年 松宮弥平(まつみややへい)が群馬県前橋市キリスト教の宣教師(アメリカ人)に日本語の個人指導を始める。
1913年 東京外国語学校(現・東京外国語大学)内の日誤文化学校(日語学校)の教授主任に就任。


(2-1)キリスト教の宣教師日本語の個人指導を始めた場所

不明


(2-2)東京外国語学校(現・東京外国語大学

千代田区神田錦町3丁目13番地

2だらけの日とサピアウォーフの仮説と

 

 

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今日は2だらけの日!

何か記念日とかあるのかな、と思って調べてみたら「ツインテールの日」なのだそうで。
なるほど。

Googleの検索結果を見ていたら、こんなサイトが上のほうにありまして。

ツインテール過激派の原理主義者です。皆さんツインテールとは何なのかお分かりで?」

https://maidreamin.com/blog/b/502156/detail.html?id=16147

 

要約すると

 

 ツインテール
 ツーサイドアップ
 おさげ
 ビッグテール

 

という4分類があり、このうちツーサイドアップ、おさげ、ビッグテールはツインテールとは言えないというものでした。

 

私から見たらみんなツインテールに見えるのですが、違うようなんです。

ツーサイドアップやビッグテールに至っては、今日初めて知った言葉です…💦

 

私から見たら、「そこまで分けなくてもいいんじゃない? ツインテールでいいじゃん」ぐらいに思っていました。


かろうじて知っている「おさげ」も、「ツインテールの昔の言い方?」ぐらいにしか思っていませんでした。

でも、詳しい方、生活で使い分けを必要とされている方にとっては、大事な使い分けなのかもしれません。

 

な~んてことを考えていたら、ふっと頭の中にサピア・ウォーフの仮説的なものを感じてしまったのでありました。

言葉によって考え方が切り取られる(切り分けられる?)という、あの仮説です。

虹が7色や6色に見えたり、エスキモーの人にとっては雪の言い方が細かく分かれていたり・・・。

 

ということで、最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

 

方言自動詞?

決める-決まる
上げる-上がる
受ける-受かる

などの他動詞と自動詞のペアがあります。

その一方で、「買う」「読む」などの他動詞は、ペアとなる自動詞ありません

「覚える」もその1つで、ペアとなる自動詞ありません

 

でも、私が住んでいる愛知県では「覚わる」という言い方があります。

 

全然漢字が覚わらん」のように使います。
(意味=「全然漢字を覚えられない」)

 

手っ取り早くネットの辞書『デジタル大辞泉小学館)』を調べてみるのですが、載っていないようで結果が反映されません。その代わり『日本国語大辞典』(小学館)には載っているようで、

 

おぼわる(おぼはる)【覚】他動詞ラ行五段活用

「技術などを学んで体得する」の意

 

という説明があります。
一応辞書にはあるものの、方言の可能性もあります。

以前、「方言オノマトペ」の話をしましたが、どうも「方言自動詞」なるものもあるのかもしれません。例えば、こういうものもありました。

 

鍛わる(きたわる)
「鍛えられる」の意味で用いられることのある言い方。 標準語にはない語彙であり、岐阜県下で特に用いられることが多く、その他の地域で用いられることは少ないため、方言とみなされる。

 

Weblio辞書には「鍛わる」の意味や使い方として、上記のような説明が載っていました。方言のようです。

他にもこういうものがあるかどうか、調べてみました。

 

干さる(←干す) 例文:芋がよく干さった。
蒸さる(←蒸す) 例文:(蒸し暑い日の挨拶として)今日はえらい蒸さるなあ。

 

などは辞書に載っていませんでした。なので方言の可能性が高いです。
でもどこの方言かはわかりません。

変わり者では九州・熊本の方言とも言われる「たまがる」でしょうか。「たまげる」と同じ意味なのですが「たまがる」が存在します。別に自他のペアにはなっていないようです。

そして方言かなと思っていたものが、辞書に載っていた場合もありました。

 

結ばる(←結ぶ) 例文:縄が固く結ばっていてほどけない。

 『デジタル大辞泉小学館)』より

 

ということで、これも要調査です。

私の予想では「覚わる」のように古語では存在したものが現在に至るまでに姿を消したけど、特定の地域で残ってしまったのではないかと考えます。

それとこれらの自動詞に共通している意味特徴は

 

受身の意味(影響を受ける、の意味)
自発の意味(自然にそうなる、の意味)

 

上記のどちらか、またな両方の性格を持っていることです。

 

『子どもの語彙を豊かにする指導』(著者: 宮腰賢)によると

 

植える-植わる
花を生ける-花が生かる
判を捺す-判が捺さる
布団を敷く-布団が敷かる
毛布をたたむ-毛布がたたまる

 

という例も載っていました。
「植わる」「生かる」は『デジタル大辞泉小学館)』にも載っていましたが、あとは載っていませんでした…。

 

わからないものだらけです…。
まだまだ、いろいろ調べないといけないですね。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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